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皆さんは文筆家、深田久弥氏の随筆「日本百名山」を読まれたことがありますか? 一九六四年に新潮社より刊行された書誌で、北は北海道から南は鹿児島まで、深田氏が自分自身で定めた百山を記したものです。 学生時代から山好きの私は刊行された当時、赤鉛筆で今まで踏破した山々を塗り潰しましたが、その数は52〜53。なんとか完全踏破へと、社会人になってもチャレンジを繰り返しましたが、残念ながら70山で今日を迎えてしまいました。 もう無理だと実感したときは、一時的にせよ自分に幻滅を感じましたが、今は七合目まででも、やり遂げたことの経験則が自分の血となり、肉となり、私自身が一段大きくなったんだと感じ、満足しています。 私の山好きのきっかけは、中学時代の体育の先生の感化です。先生の郷里は長野県で中央線の富士見駅の近くにあります。 この富士見には入笠山という、冬はスキーの人知れずメッカ、夏はロマンチックな月見草が、麓から頂上まで全山を黄色一色に染めている山です。 その頂上からは諏訪地域と佐久地域に跨る大山塊、「八ヶ岳」の全貌がパノラマ形式で望めます。「八ヶ岳」がおいで・おいでをいっているのにほだされ「八ヶ岳」に登ったのが、私の山行の始まりです。 「八ヶ岳」は昔、活火山郡で組成されていました。現在は、南八ヶ岳、北八ヶ岳と、夏沢峠で分けられ、北八ヶ岳にはロープウェイで有名な横岳、美術館が頂にある美ヶ原がありますが、岳人には2899mの最高峰がある南八ヶ岳が憧れの的です。 南八ヶ岳は南から編笠山、西岳、権現岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳の八峰から出来あがっており、春夏秋冬、様々に姿を変え岳人それぞれに世の中を考えさせてくれます。 春は高山植物に色を添え、岳人の心を癒してくれます。夏は鋭い岩峰を開放してくれ、登攀(とうはん)(社会)の厳しさを身を持って体験させてくれ、秋は静けさの中で自分を見直す機会を与えてくれます。 そして冬は、雪・吹雪という過酷な条件の中で、どのように身を処するかを考えさせてくれます。 昔は縦走するには三日を要しましたが、現在は有名な清里から直登で主峰赤岳には、足の速い人では日帰りができるルートもあります。 私も八ヶ岳に魅せられ、早帰りルート等を使用しながら、30回程度、この山塊に訪れました。その中には、当社の仲間との山行も3回程度ありました。 皆さんも高い山、低い山を問わず、山に出掛けてみてはいかがですか?そして、山と話し合ってみて下さい。 山はその時に応じて態度を変えることはありますが、良く貴方の話を聞いてくれ、答えを出してくれるはずです。その答えを下界に戻り、日常生活に活かすことも一つと私は思います。 最後に昔の漢詩にこういう詩があります。「山に登りその頂に達すれば、そのまた先に山あり」人生生活もこれで良しは無いようですね。 「社内報読者リレーより」
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